9年ぶりの自己ベスト

2021年7月10日(土)

道央陸上記録会第6戦(千歳市青葉公園陸上競技場)

 

5000m最終組、14分49秒87でトップでゴールする澤井玄選手。

7月10日(土)千歳市青葉公園陸上競技場で開催された道央陸上記録会第6戦に、作.AC北海道から4名が出場しました。
結果は以下の通りです。

【作.AC北海道】
(種目:5000m)

澤井玄 14分49秒87(3組1位)
山中一輝 15分13秒30(2組1位)
島谷樹 16分15秒66(2組6位)
澤井いずみ 17分01秒86(1組2位)

 

約9年ぶりに自己ベストを8秒更新した澤井玄。

 

本当におめでとう!

澤井玄選手は旭川市出身。
幼い頃から走ることが大好きで、高校は親元を離れ、駅伝有力校に進みました。
そして2012年、高校1年生で日体大記録会に出場、5000mで14分57秒79をマーク。
当時から期待されていましたね。
きっと、東京の大学に進み、箱根駅伝を目指すものと陸上関係者の誰もがそう思っていたのではないでしょうか。
高校1年で5000m14分台、夢も大きかったと思います。

ところが、その後、度重なるケガに苦しみました。
まさか手術をするなんて、思いもしなかったでしょう。
どれだけ不安だったことか。
手術後もそう簡単に復帰できるものではありません。
気づけば高校3年生。

実績もなく、関東の駅伝有力校への進学は諦めました。
「もう、真剣に走ることはしない。楽しんで走りたい。」
そう周りに話していたそうです。
しかし、心底はそうではなかったでしょうね。
彼の精一杯の強がりだったと思います。
本当は悔しくて、悔しくて、泣きたかったでしょう。

2015年、彼は北海学園大学に進学しました。
しかし、その時の彼はもう、普通の大学生になっていたように見えました。
普通に遊んで、普通に勉強して、普通に将来を考える。
走りは趣味程度、そんな印象でした。

ところが、彼の本当の想いは違っていました。
「もう一度、走ることに挑戦したい」
これを機に、今の生活を一変できたら。
そう決心していたのだと思います。

それは私も同じでした。
いつからか周りに持ち上げられ、踊らされていたことに気づきました。
なんとかこの状況から脱しなければ。
私自身、なにかきっかけが欲しかったのです。
悩んでいても、落ち込んでいても、好機は巡ってこない。
軽い誘いにすら心が揺らいでしまい、これではいけないと思いました。

なので私も、それに乗ったのです。

玄君と出会って6年。
2017年に2度目の手術、その後もアキレス腱炎、腸脛靱帯炎、足底腱膜炎、シンスプリントなど。
1年のうち半分はウォーキングで過ごしたこともありました。
良く耐えたと思います。
その間、フルマラソンもハーフマラソンも走りましたが、どんなに走っても、満足しても、
高校1年の時にマークした、14分57秒79のタイムが頭から離れることはなかったと思います。
5000mの自己ベストを聞かれるときが、一番辛かったのではないでしょうか。

そして迎えた7月10日(土)。
ここ数ヶ月の練習内容から、自己ベストを更新するのは、このタイミングだと思いました。
今回は逃せないと。
さらに気温も、風向きも、スタート時間も、まずまずの条件でしたから。

それは玄も意識していたでしょうね。
見えない力をもらうには、見えないところで人のために動くことですね。
玄君をみていてそう感じました。

 

当日の朝練、菊地総監督と楽しそうでした。

 

朝練後、落ち着かなかったでしょうね。

それでは、レースの模様を写真にてご覧くださいませ。
なお、写真を提供してくださったのは、自身も3000mに出場した板垣洋平さんです。

 

スタート前の様子。

 

序盤戦、札幌学院大学の選手がトップ集団を形成します。

 

3000mは8分54秒で通過しました。

 

この日は落ち着いていましたね。

 

4200mあたり、戦っている顔になっていますね。

 

呼吸は苦しそうでしたが、足には余裕がありました。

 

ラスト1周、色々な想いが交錯したでしょう。

 

最終組、14分49秒87でゴールしました。

 

これは嬉しいでしょう。

 

これでようやく前に進めるね。

今は表情も良く、多少のことは跳ね退ける力があると思っています。

 

全てを味方につけましたね。

2組目のレースを終え、玄の走りをずっと見ていた一輝が、

「玄はずっと、14分57秒79を意識していたと思う」
「9年間、忘れたことはないんじゃないかな」
「ようやく打破してくれて、自分も嬉しい」

 

この日の一輝は前半のスローペースから抜け出し、前を引っ張ります。

 

3000mの通過は9分09秒、落ち着いていますね!

 

一輝、逞しくなったね。

 

3000m以降は独走でした。

 

4200mの通過、ラスト1000mは2分57秒。

 

15分13秒30の自己ベスト更新おめでとう!

いつも引き立て役の樹。
今年は4月以降、練習でも冴えがありません。
疲労も抜けず、後半戦はいつも足が重そうで、険しい表情になってしまいます。
ただ、全員が幸せになったら、それはそれで落ち着きませんし。
今回、玄が一輝が輝けたのは、樹の存在があってこそです。
徳を使い切らないよう、樹がカバーしているのですね。
足のケアを怠らず、栄養面にも気をつけ、次こそ復活して欲しいです。

 

前半、果敢に前に出るも、

 

またしても、失速。

 

今に見ていろ、10年後!!

澤井玄選手の妹、澤井いずみ選手。
いずみちゃんは、小さい頃からお兄ちゃんに憧れ、走り続けてきたそうです。
ただ当初は大学卒業後、競技者として続ける気持ちはなかったと、後になって聞きました。
もし就職先が札幌でなかったなら、4月18日(日)の作.ACランニング講習会に参加していなかったなら、
兄弟揃って走ることはなかったかもしれませんね。

 

素直過ぎるので、いつもお兄ちゃんが見守っているようです。

 

17分01秒82、復帰後にしては上出来です!

 

レース後、陸上競技場にて。

 

いずみちゃんと4人で。

 

板垣さん、写真を撮ってくださりありがとうございます!

板垣洋平さんは、夕方行われた男子3000mにおいて、9分00秒09のマスターズ記録を樹立したようです。
おめでとうございます!!

 

中央広場にて、尚子さんが写真を撮ってくれました。

嬉しい出来事の後は、悲しいことが起こるのではないかといつも考えてしまいます。
それくらい幸せで、喜びいっぱいの一日でした。
これでしばらくは何が起こっても、勇んで進めそうです。

今週末は、最高気温30℃を超える暑さになりそうですね。
どうか、無理なさらぬよう。
皆様にとって、楽しい週末となるよう祈っています。

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 この先もずっと、「走り」を楽しみ、「競技」に熱くなり、多くの「仲間」と共に走り続けられる。そしてランニングを通してこそ経験できるランニングスタイル"LIFE with RUNNING"を大切にするチームとして作.ACは活動を続けていきます。

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