2023年8月27日(日)
写真:菊地真司(作.AC北海道代表)
皆様、こんにちは。
8月27日(日)北海道マラソンが開催されました。
今年で35回目。
ご参加された皆様にとっては、今年一番の晴れ舞台だったでしょう。
走られた皆様、本当にお疲れ様でした。
作.AC北海道、作.AC札幌、作.AC旭川メンバーと。
前日と前々日の最高気温は36℃。
8月入ってからというもの、30℃を超えなかった日が数えるほどしかありませんでした。
早朝にポイント練習を行なったり、真夜中に走ったりと、それぞれ工夫されたのではないでしょうか。
思うような練習が出来ず、不安だったでしょうね。
大会当日にたどり着くまで、疲れ切ってしまっても仕方ありません。
スタート時の気温は30℃。
待ち時間だけでも体力を消耗したのでは。
スタートから5.4kmまで、給水がないのは辛かったですね。
ランナーのことを思えば、せめてその間1カ所だけでも給水があればと。
しかしながら、スタートから2万人近いランナーが給水所で大混乱となる可能性も考えられ、
そこを懸念されたのかもしれませんね。
紙コップは小さめで、「飲む」より「かける」夏のマラソンには酷でした。
また、スポーツドリンクの少ないこと。
もう少し充実していれば、夏のマラソンでもタイムロスを最小限に防げたかもしれません。
あとはスタート時の整列。
1km/5分と、1km/3分20秒の選手が同じAグループで走るのはスピードが違い過ぎました。
スムーズにスタートさせるのであれば、
大まかにでもタイム順に並んだほうが、混乱は起きなかったでしょう。
とはいえ、カーボンシューズや高速コースで楽に記録が出せるようになった今、
心を鍛える良い機会だったと、私も身に沁みて感じた次第です。
また今日から頑張りましょうね!
それでは、作.AC北海道チームメンバ-の結果からご報告致します。
まずはチームエース、滑和也選手から。
滑和也
2時間27分33秒
男子12位(道内1位)
2時間27分33秒、道内トップでゴールした作.AC北海道の滑和也選手。
写真提供:はたのまき
ラップは以下の通りです。
【5km毎のラップ】
16分21秒-16分23秒-16分58秒-17分10秒-
17分19秒-17分32秒-18分19秒-19分19秒-
8分12秒
【10km毎】
32分44秒-34分08秒-34分51秒-37分38秒
北海道マラソン男子のエリート枠はハーフマラソン1時間06分00秒以内。
滑和也選手は、ここをクリアしようと今年3月に東京葛飾で行なわれたハーフマラソンに挑戦。
1時間05分59秒をマークし、なんとかエリート枠で出場することが出来ました。
59秒が執念ですね!
北海道マラソンEXPO裏あたり、レース前日。
滑和也は北海道出身。
北海学園大学卒業後は地元の民間企業に就職し市民ランナーとして活躍。
作.AC北海道には2年間在籍し、その後2011年にSUBARU陸上部へ移籍。
昨年3月に引退後はその地に残り、市役所に勤務。
それと同時に、約11年振りに作.AC北海道へ復帰しました。
仕事に子育てに毎日多忙な中、走ることは欠かしたことがないと言います。
短い時間で、ave.3分45秒で速めの10kmJOGを行なったり、時には1000m×3本(2分50秒)で入れたり。
走行距離こそ伸びないものの、高い質にこだわった練習をしてきたようです。
続いては、金内健治。
8月28日(月)北海道新聞朝刊より。
金内健治
2時間38分17秒
男子32位(道内在住1位)
【5km毎のラップ】
17分56秒-17分46秒-18分03秒-18分20秒-
18分52秒-19分25秒-19分24秒-20分11秒-
8分21秒
2016年当時、北翔大学陸上部監督を務められていた重成敏史さん。
健治が4年生の時です。
「金内をここで終わらせたくない」
「金内を作.AC北海道に入れてもらえないか」
と言ってくださったこと、今も忘れません。
重成さんに話し掛けて頂いただけで夢心地で、健治のことは頭に入らないほどでした。
その後、民間企業に就職と同時に作.AC北海道に加入、現在に至っています。
健治は幸せ者だよ。
重成さんに指導してもらえたのだから。
「あの男は社会人になってもきっと続ける、強くしてやってくれ」
重成さんの言う通りになりましたね。
36km付近の金内健治、後半は相当辛かったはずです。
5000mの自己ベストは今月11日(山の日)に行なわれた円山ナイターで14分57秒76。
フルマラソンの自己ベストも、今年の大阪マラソンで2時間23分33秒。
続けてきた結果が、今に至っていますね。
続いては山中一輝。
山中一輝
2時間46分23秒
男子58位
【5km毎のラップ】
19分11秒-19分07秒-19分30秒-19分29秒-
19分55秒-20分02秒-20分17秒-20分26秒-
8分26秒
【10km毎】
38分18秒-38分59秒-39分57秒-40分43秒
頑張りすぎないのが彼の魅力。
5km毎のラップをみてもわかるように、
スタートから相当抑えています。
最高気温30℃だから1kmあたり15秒落とせばいい。
単純にそう考えたのでしょう。
彼の自己ベストは2月の大阪マラソンで2時間29分15秒(ave.3分33秒)
入りが3分50秒ですから、+15秒で全くその通りですね。
自己ベストをマークした大阪マラソンでも、
「エリート枠の標準記録は2時間28分以内だから、そこを狙え」
と何度も伝えたのに。
2時間29分15秒で、
「やった!やった!」
と、悔しいどころか、大喜びしている一輝に呆れてしまいました。
しかしながら、その屈託のない笑顔を見ているうち、なぜか涙が出てしまいました。
呆れ過ぎると癒やしに変わるのでしょうか。
いえ、きっと子供の頃を思い出したのだと思います。
一輝、転勤先でも走りつづけるんだよ。
一輝と10秒差で59位の阿部雅行。
阿部雅行
2時間46分33秒
男子59位
【5km毎のラップ】
19分13秒-18分56秒-19分33秒-19分59秒-
20分21秒-19分35秒-19分41秒-20分15秒-
9分00秒
【10km毎】
38分09秒-39分32秒-39分56秒-39分56秒
見事なラップです。
最近の記録は昨年10月の2時間34分49秒(ave.3分40秒)ですから、
その記録から気温30℃のコンディションを考えると1kmあたり3分55秒。
妥当ではないでしょうか。
今後の課題はスピードを伴う、ラストの競い合い。
今回も後半の動きが有位にありながら、最後の最後で一輝に逆転されています。
ただ、決してスピード練習を怠っているわけではありません。
雅行もそこをわかっていて、敢えて苦手なスピード練習に取り組んでいるのです。
5000mの自己ベストは2022年10月の15分49秒32。
フルマラソンの自己ベストは2015年の福岡で2時間31分59秒ですからもう8年前。
今年あたり自己ベストを更新したいですね!
35km以降、全身が攣り止まってしまいました。
澤井玄
2時間47分04秒
男子66位
【5km毎のラップ】
18分12秒-17分38秒-18分20秒-18分21秒-
18分28秒-19分09秒-19分55秒-24分18秒-
12分43秒
【10km毎】
35分50秒-36分41秒-37分37秒-44分13秒
昨年も同じように後半失速しました。
今年はそこを打ち破りたかったはずです。
体質からか、日頃から水分を多く摂る方ではなく、暑さをうまくコントロール出来ません。
乾きがなくても水分を多く摂るなど、5年くらいかけて体質を改善していきたいですね。
悔しくないわけがありません。
ゴール後、気持ちを切り替えようと沿道に向かったのは、ゴール後の互いの労いを回避したかったからだと思います。
ゼッケンを付けたまま沿道へ行き、ゴールへ向かう選手を手を振って応援し、声をかけたら笑顔でおどけて。
忘れてはいけないことを、思い出させてくれます。
島谷樹、これからもたくさん失敗をして欲しいです。
島谷樹
2時間51分58秒
男子102位
【5km毎のラップ】
18分34秒-18分24秒-18分45秒-19分01秒-
19分33秒-20分34秒-23分15秒-24分23秒-
9分29秒
【10km毎】
36分58秒-37分46秒-40分07秒-47分38秒
トラックレース中心のため、どうしても30km以上のロング走を後回しにしてしまいます。
ゆっくり走る我慢、前に出たくても出ない我慢。
例えば1kmあたり6分以上速く走らないとか。
私の年代にとっては1km/6分は心地よいペースなのですが、
20代の若者は走力が付いてくるとJOGでも1km/4分~4分30秒ですから。
敢えてペースを落として、ペースを守る練習を取り入れたいですね。
樹はいつも引き立て役。
どんなに頑張ってもチーム内では4番手、5番手止まり。
かわいそうで見ていられないときもあるけど、それが樹なのだと納得させます。
落ち込んだ時は下向いて、黙って。
でも最近は逞しくなったね。
善戦した、瀬能拓真。
瀬能拓真
3時間05分49秒
男子265位
【5km毎のラップ】
21分02秒-18分37秒-18分58秒-19分09秒-
19分10秒-19分58秒-22分48秒-36分40秒-
9分27秒
彼なりに精いっぱい走って、チームメンバーを喜ばせたかったのだと思う。
このラップで彼の想いが伝わります。
ずっと体調不良で、8月11日(山の日)の円山ナイター5000mでは、まさかの17分34秒54。
本人もショックだったでしょうが、それ以上に周りが心配するほど。
それ以降も全く走れず、正直なところ今回は欠場するものと思っていました。
「出るのか」
と聞くと、
「出ます!」
と笑顔で。
実質、練習でも駅伝メンバーからは程遠い走りで、
本人もどうして良いか、わからなかったのでは。
今回は賭けだったのかなと思いました。
30kmで儚く散りましたが、無難に走るよりこの方がいい。
最後の1kmで私に追いつかれたとき、
「老いぼれ作田には負けられない」
と思ったのでしょう。
鋭さが残っていて安心しました。
長いマラソン人生だから。
これがずっと続く。
辛いときは甘えるんだよ。
次は、私です。
走り終えて、安心しました。
作田徹
3時間06分01秒
男子270位
【5km毎のラップ】
21分27秒-21分18秒-21分10秒-22分09秒-
23分01秒-22分47秒-22分34秒-22分25秒-
9分10秒
私の結果など、今更すいません(笑)
1992年からコロナ禍等で走れなかった年を除き、特に2010年以降は最低でも3時間切りを心がけてきました。
連続27回、なんとか北海道マラソンでの3時間切りを続けてきましたが、今回は3時間を切ることが出来ませんでした。
自分のことは自分が一番わかります。
暑さでもなく、練習不足でもありません。
意欲のなさ、気持ちの弱さです。
以前にも増して、自分のための走りはしなくなりました。
週4回の朝練も澤井玄君に会いたくて、走りに行っているようなもので。
一人だったら、とうに走るのを辞めていたでしょう。
ただ、これでは自分がどんどん逃れていく。
もう何年も北海道マラソンの記録など振り返ることはなかったのですが、
いつの間にこんなに走っていたのかと。
全く気持ちの乗らない時期ほど、辛いものはありません。
それでも走らなければ。
走ることを休んで、走りたくなって当たり前ですから。
続けていればまたいつか、走りたい気持ちになると信じています。
最後は、澤井いずみさん。
澤井いずみ
3時間17分20秒
女子36位
【5km毎のラップ】
23分11秒-21分59秒-22分27秒-22分35秒-
22分47秒-23分36秒-24分21秒-25分20秒-
11分04秒
2021年12月までは快進撃でした。
日体大記録会5000mで16分21秒45を皮切りに、都道府県対抗駅伝北海道代表など、
どこまでいくのかと、その活躍を楽しみにしていたものです。
ところが、その後は度重なるケガに見舞われ、走っては痛め、走っては痛めの繰り返し。
走ることが大好きないずみちゃんにとって、この2年は相当辛かったことでしょう。
なので、この北海道マラソンは何としても走りたかったと思います。
走ったことで、痛みは増したかもしれません。
でも、それでも嬉しかったと思います。
続いては作.AC札幌、そして作.AC旭川メンバーの主な結果をご報告致します。
馬場敦志 50位 2時間44分05秒
菅悠介 71位 2時間48分20秒
山口浩司 341位 3時間10分28秒
木村崇 580位 3時間20分24秒
柴田直樹 672位 3時間23分26秒
小玉淳史 905位 3時間29分08秒
【作.AC旭川】
小松原譲 416位 3時間14分01秒
浅川永太 656位 3時間22分53秒
稲垣俊紀 692位 3時間23分56秒